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            学会誌 「法と精神医療」

 

 

 

■ 学会誌「法と精神医療」は、昭和62年(1987年)から毎年刊行されています。

■ 以下に2020年-2007年の目次と、創刊号の「発刊のことば」を掲載します。

■ バックナンバーは市販されています。

     問い合わせ先  (株)成文堂 http://seibundoh.co.jp

       

第35号 2020年

講演

「法と精神医療」のこれまでとこれから   川本哲郎

論説

わが国の性犯罪者処遇について、もう一度考えてみよう ---制度見直しを見据えて---   東本愛香

責任能力事案における弁護活動 ---2つの事例を通じて---    井口光奈

英国の矯正施設における精神科医療の現状と日本の課題   岡村麻梨佳

シンポジアム「精神障害に罹患した非行少年の処遇」

シンポジアムの趣旨   柑本美和

少年院における非行少年の処遇 ---第三種少年院の意義と今後の課題---   大橋哲

精神障害に罹患した非行少年の処遇 ---思春期青年期精神医療の可能性---   井口英子

精神科病院での入院を必要とする子供と治療 ---その根底にある虐待と成果物としての非行に注目して---   吉岡眞吾

精神障害に罹患した非行少年処遇の望ましいあり方 ---刑事政策的観点から---   吉中信人

第34号 2019年

論説

精神科医療におけるインフォームド・コンセント ---日本・ドイツ刑法学における議論を中心に---   富山侑美

刑事責任能力について ---その意義と判断---    箭野章五郎

シンポジアム①「司法と医療の連携による更生支援型刑事司法を考える: 治療的司法の観点から」

シンポジアムの趣旨について  川本哲郎

治療的司法とは何か  指宿信

治療の現場から  芦沢健

弁護士の立場から  菅原直美

シンポジアム②「北海道における指定入院医療機関の設置について」

シンポジアムの趣旨について  城下裕二・北潟谷仁

指定入院医療機関が設置されていない不都合について ---弁護士の立場から---  磯田丈弘

北海道における指定入院医療機関の設置について ---裁判所の立場から---  中桐圭一

精神科医の立場から  三井信幸

北海道において医療観察法に基づく入院決定を受けた者の状況及び課題等  澤下靖典

北海道における医療観察病棟の開設について  田中央吾

第33号 2018年

論説

わが国における統合失調症の暴力  今井淳司

オランダにおける社会内処遇制度 ---再犯防止対策の一つとして---  平野美紀

講演

「認知症医療・介護と法」雑感  松下正明

シンポジアム「精神保健福祉法の改正について」

シンポジアムの趣旨について  五十嵐禎人

非自発入院制度の正当化原理 ---精神科臨床の立場から---  五十嵐禎人

非自発入院の正当化根拠 ---法律家の立場から---  横藤田誠

ガイドラインについて  椎名明大

精神保健福祉法はどこへ向かうのか  姜文江

第32号 2017年

論説

責任能力論における弁識・制御能力  竹川俊也

大阪精神医療人権センターの活動史 ---人権保障の30年---  吉池毅志

講演

精神障害者の権利とは何か?  町野朔

シンポジアム「わが国における精神障害者の強制入院について」

シンポジアムの趣旨  中島直

障害者の権利に関する条約と非自発的医療のあり方  池原毅和

保護者制度廃止(法改正)後の問題点と課題  原田豊

医療観察法申立および精神保健福祉法強制入院での警察・検察の対応の検討  吉岡隆一

 

 

第31号 2016年

論説

治療法学に基づく訴訟能力論の再検討 ---判断手続を中心に---  暮井真絵子

解離性同一性障害患者たる被告人の刑事責任能力  上原大祐

強制入院と身体拘束に対する法的規制 ---ドイツ法を中心として---  神野礼斉

講演

少年事件と児童青年精神医学  松田文雄

シンポジアム「医療観察法対象者の社会復帰促進のために医療と法にできること ---『ひろしま医療観察ネットワーク』の挑戦」---

シンポジアムの概要  司会 横藤田誠

医療観察法対象者の社会復帰促進を目指して ---「ひろしま医療観察ネットワーク」の活動を通じて---  津久江亮大郎

医療観察法の課題 ---指定医療機関の精神科医の立場から---  山口博之

医療観察法と広島弁護士会の取り組み   前川哲明

論説

中国における刑事強制精神医療手続の立法とその実施   倪潤 

第30号 2015年

論説

薬物使用障害者による自己使用罪の有責性とそれに見合った手続及び処遇についての試案  飯野海彦

死刑と精神鑑定  北潟谷仁

医療観察法通院処遇移行対象者の予後調査  永田貴子

講演

精神科医療半世紀の変遷とその将来 ---1定点よりみつめる---  高柳功

シンポジアム「薬物事犯の治療処遇 ---刑の一部執行猶予の施行に向けて---」

薬物犯罪と刑の一部執行猶予 ---量刑基準を中心として---  東山太郎

更生保護における薬物事犯者処遇の現状と課題 ---刑の一部の執行猶予制度の施行に向けて---  吉田研一郎

薬物事犯の治療処遇(刑の一部執行猶予の施行に向けて) ---精神医療の立場から---  合川勇三

シンポジアム「薬物事犯の治療処遇 ---刑の一部執行猶予制度の施行に向けて---」の開催を終えて 司会 岩井宜子

第29号 2014年

論説

責任能力における「精神の障害」 ---最近の動向を踏まえて---  水留正流

精神保健福祉法の改正について ---保護者の義務規定の削除と医療保護入院の要件の変更を中心に---   山本輝之

講演

医療観察法における通院処遇の課題  松原三郎

シンポジアム 「発達障害と法」

シンポジアムの概要  浅田和茂

自閉症スペクトラム障害が関与する事件と司法鑑定 ---現状の問題点と課題---  十一元三

事例報告 ---アスペルガー障害と量刑---  辻川圭乃

自閉症スペクトラム(広汎性発達障がい)をかかえる方に精神医療ができること ---特に青年期について---  来住由樹

特別企画 「岡江晃先生を偲んで」

岡江晃先生を悼む  前田雅英

刑事責任能力判断の新たな動向  ---岡江晃先生の遺されたもの---  川本哲郎

書評: 岡江晃著『宅間守精神鑑定書』(亜紀書房)  中島直

精神医療改革の一断面 ---岡江晃先生を偲んで---  吉岡隆一

第28号 2013年

論説

強制通院制度と薬物治療  小口芳世

責任能力に関する四つの最高裁判例を踏まえた精神鑑定の在り方について  森裕

講演

法と精神医療  ---精神科診療において感じること---  鹿島晴雄

シンポジアム 「裁判員制度と精神鑑定」

シンポジアムを終えて  村松太郎

裁判員裁判は精神鑑定をどう変えたか?  田口寿子

裁判員裁判での精神鑑定の経験例  中根潤

刑事責任能力が問題となる裁判員裁判の審理の在り方  芦澤政治

精神鑑定における捜査の重要性  中尾貴之

 

第27号 2012年

論説

医療観察法「国会報告」について  中島直

医療観察法「国会報告」からわかること・わからないこと  大杉光子

東日本大震災による福島県長期避難被災者の現状に合わせた支援を模索して  崔炯仁

ミニ・シンポジアム「保護者制度の改革と精神医療」

ミニ・シンポジアムの趣旨  川本哲郎

保護者制度の改革と精神医療  町野朔

精神科病院と地域精神科医療  ---精神科病院における保護者制度の役割---  松原三郎

法と精神医学-----家族からみて  田尾有樹子

シンポジアム「刑事精神鑑定の現状と課題」

シンポジアム「刑事精神鑑定の現状と課題」を行う趣旨  前田雅英

起訴前簡易鑑定の意義と課題 ---医療観察法、裁判員制度による変化---  平田豊明

司法精神医学からみた精神鑑定  五十嵐禎人

責任能力の判断と裁判員裁判  河本雅也

ドイツにおける「責任能力鑑定に対するミニマム要求」  安田拓人

寄稿論文

中国刑法18条における刑事責任能力とその判断  愈志杰

 

第26号 2011年

講演

成年後見制度施行10年を振り返って   新井誠

報告

ドイツにおける保安監置制度 ---期待された再犯防止政策の現実---   山中友理

“さらなる対話”を求めて ---医療観察法施行後5年の経験から---   吉岡眞吾

医療観察法における通院処遇   松原三郎

シンポジアム「成年後見の現状と課題 ---能力の定義と判定について」

成年後見鑑定の現状と課題   斎藤正彦

行為能力の基準   五十嵐禎人

民法学の立場から   久保野恵美子

家庭裁判所における成年後見開始の審判実務   青木晋

シンポジアムを終えて   岩井宜子

 

第25号 2010年

報告

暴力をふるう認知症高齢者の行動制限と介護職員の保護 ---老人福祉施設についての検討--- 井原一成

裁判員制度と責任能力 ---平成19年度司法研究「難解な法律概念と裁判員裁判」の検討--- 吉岡隆一

シンポジアム「心神喪失者等医療観察法の現状と見直し」

シンポジアムの概要 浅田和茂

心神喪失者等医療観察法の現状と見直しの運用の現状と見直し ---指定入院医療機関の立場から--- 来住由樹

社会復帰調整官の業務の実際と課題  新谷和永

医療観察法の見直し 「日弁連意見書」と保安処分論  伊賀興一

心神喪失者等医療観察法の見直しに向けて ---法的問題点---   山本輝之

寄稿

医療観察法の幕開け前から本番への一経験 ---疑心暗鬼と「坂の上の雲」--- 八木深

 

 

第24号 2009年

報告

子どもの心の発達と社会構造の関連性を踏まえた指導の在り方 ---教育相談における精神医療的観点からの分析を通して---   佐保忠智

精神障害犯罪による被害者の支援の現状と課題  川本哲郎・奥村正雄・緒方あゆみ

鑑定人および裁判官の刑事責任能力判断に関わる要因の研究 ---裁判所等を通して実施した全国50事例の関係記録の分析より---   大澤達哉

シンポジアム「刑事責任能力と裁判員制度」

刑事責任能力と裁判員制度 ---刑法学の立場から---   林美月子

刑事責任能力判定について ---精神科医の立場から---  古茶大樹

裁判員制度と責任能力 ---問題提起と裁判所の取組み---    稗田雅洋

刑事責任能力と刑事裁判 ---市民の観点から---  古西洋

シンポジアムを終えて  村松太郎

寄稿

裁判員制度における精神鑑定 ---鑑定人の視点から---  田口寿子

 

第23号  2008年

報告

少年の刑事責任能力  渡邊一弘

少年法における司法目的と医療手段の矛盾 ---医療少年院が果たすべき本来の役割について---  西口芳伯

シンボジアム「医療観察法 ---疾病性・治療反応性をどう考えるか---」

殺人事件で医療観察法の鑑定がなされた統合失調症の2例の検討  木下顕

医療観察法の治療効果に関する事例検討報告  八木深

指定入院医療機関で経験した2事例 ---治療反応性の考察---  樽矢敏広

不処遇決定における社会復帰調整官からの視点  植松俊典

報告事例についての弁護士の観点からの検討  大杉光子

いわゆる「治療反応性」について ---法律学の視点からの事例群の分析---  水留正流

シンポジアムの司会を終えて  岡江晃

書評

安田拓人『刑事責任能力の本質とその判断』  村松太郎

ローレンス・R・タンクレディ(村松太郎訳) 『道徳脳とは何か ニューロサイエンスと刑事責任能力』  安田拓人

 

 

第20・21号  2007年

講演

精神鑑定例を通してみた精神疾患と責任能力の問題 ---個人的見解---   保崎秀夫

シンポジアム「精神医療における個人情報の保護」 

シンポジアムの概要  浅田和茂

カルテの電子化における個人情報の保護 ---医師の立場から---  菅原道哉・中村道子

カルテの電子化における個人情報の保護 ---法律家の立場から---  丸山英二

医学教育と個人情報保護法  天野隆弘

法科大学院教育と個人情報の保護  木村美隆

医療個人情報の保護について ---精神科医療における個人情報の取扱いを中心にして---  辻伸行

シンポジアムを終えて  村松太郎

講演

精神保健及び刑事司法の制度改革について ---回顧的に---  中山宏太郎

シンポジアム「自殺をめぐる法と精神医療」

シンポジアム「自殺をめぐる法と精神医療」について  横藤田誠

自殺の憲法学的検討 ---自殺の権利性をめぐって---  横藤田誠

自殺は「病理」か : 労災事例をめぐって  吉岡隆一

患者の自殺と民事責任  辻伸行

自殺等に関連し病院等の責任が問われた民事裁判の検討 (指定討論)  中島直

精神科救急からみた自殺問題  澁谷孝之

・・・・・

第1号 1987年

 発刊のことば      法と精神医療学会 理事長  逸見 武光

  わが国の法と精神医療学会が発足して間もなく1年になる。その間に日本精神神経学会との共催で,精神衛生法改正の国際フォーラムを開いた。とにかくこの1年間,若い学会としてはせいいっぱいやったと思う。本学会の名称を<法と精神医療>としたのも精神衛生法改正を当面の最大課題と考えたからである。実はこの学会を組織する前に準備委員の間では他の2~3の案が出されて議論した。しかしわれわれが当面とり組まなければならないのは,精神衛生法を中心とする,日々の医療と密接に関係している課題ではないのか,という認識からこの呼称に大方の合意を得た。精神衛生法改正の作業は着々と進められているようであるが,われわれが期待する流れとは必ずしも一致していると言えない面もあるようである。
まだ当分はこの呼称でやっていかなくてはならないだろう。
 しかし,われわれの課題は精神衛生法ばかりではない。さし当って考えても,老年痴呆者の財産をどのようにすれば守れるのか,という事例から発して同様の事態は他の疾病でもおきていることに気づく。保護義務者が病者の財産を抵当に借金した例などは枚挙にいとまないと推察される。家族法学者やその実務家から<子の監護>に対する助言を求められて数年になるが,家事審判への助言としてこの課題をとり上げる精神科医は未だほとんどいない。病者の社会復帰を考えるなら労働法規ととり組む必要もでてくる。さらに労務環境の整備,逆にいえば労務起因性疾患としての精神障害を拾い出す作業も手をつけられたばかりである。伝統的な刑事法関連事項も精神医学の発展と共に根本的に考え直さなければならない時が来ている。
 多くの方々が本学会に加わって下さることをこころからお待ちしている。

  

                               昭和62年2月21日

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