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ご挨拶

 理事長に再任されました山本輝之です。本学会は、「精神医療に関する法学・医学及びその実務の総合的研究ならびに研究者相互の協力を推進し、もって精神医療の充実と改善に寄与すること」を目的として、1986年3月に設立されました。

 この目的を達成するべく、本学会は、これまで、法と精神医療とがかかわる多くの問題に取り組み、その成果を学会誌「法と精神医療」に公表してまいりました。しかし、法と精神医療をめぐる問題は、日々生起され、尽きることがありません。われわれは、今後もわが国の法と精神医療が抱える多くの問題について多角的な視点から思索を重ね、精神医療の充実と改善に寄与する努力を続けていくことが必要であると考えています。

 他方、学会の現状に目を向けてみますと、様々な課題があります。第1には、会員の数の減少傾向が続いているということです。第2には、そのため、学会の財政は、現在、極めて厳しい状況にあるということです。第3には、学会の大会にご参加していただける会員の数が減少しているということです。

 実は、こうした問題は、すべて関連しているものであり、今後は、学会として、社会から期待される役割を十分果たすとともに、それを社会にアピールしていくことに一層力を傾注していかなければならない、そのためには、われわれが常にアンテナを広くかつ高く掲げ、現在、社会に生起している法と精神医療にかかわる問題を鋭敏にキャッチして、学会で議論・検討し、その成果をより積極的に世の中に発信していくことが必要であると考えております。

 私は、理事長2期目にあたり、大変微力ながら、本学会の設立時の目的に立ち戻り、すべての学会員の協力の下、その目的を達成するべく、現在本学会が抱えている、こうした課題の解決に取り組み、本学会がさらに発展し、法と精神医療が抱える多くの問題の解決に寄与できるよう努めていく所存です。法と精神医療の問題にご関心のある多くの方々が本学会に参加され、この分野の学問的発展に寄与すべく、皆様のご協力・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 2023年4月

                          法と精神医療学会理事長

                                 山本輝之

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